流れとよどみ―哲学断章

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  • 産業図書 (1981年5月12日発売)
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ものを考えるひとの原点にして頂点。
特に池田某、永井さん、野矢さんはこの方の流れとともにいるということが改めてわかった。ものを考えるという点でいえば、養老さん、なだいなだも同じ系譜にいると思う。
そのくらい、ものを考えるということの連続性、バトン、宮沢賢治のいうところの交流電流の明滅は、続いていく。
時間の作用、夢と現実、自分と他人、それらは存在するということ、ことばが事実として存在してしまうという一点に尽きる。ひとはコンピュータのような記録媒体ではなく、レンズのような存在。過去を思い出すということは、ないものを思い出しているのではない。ほんとうに存在しないものは思い出せない。思い出すとはすでに何かが存在してしまっている以上、実体のないものではないのではないか。
そうすると、時間とは一体なんなのか。今とは。今?いったい今を問うこれは一体何なのだ。疑問は尽きない。疑問を見つめながらも時間は流れていく。変化していく
。川は流れているが、川は川としてそこにある。あってしまう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 評論・哲学・宗教
感想投稿日 : 2021年8月15日
読了日 : 2021年8月13日
本棚登録日 : 2021年8月13日

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