数奇にして模型 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2001年7月13日発売)
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本棚登録 : 6930
感想 : 456
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久しぶりの森シリーズ

⦿『破壊は必ず何らかの新しい造形の前処理でなくてはならないんだ』
当たり前、常識、一般的。
これらの破壊なしに道は見えてこない。かぁ〜
今回も伏線?とまではいかないけど、物語の途中途中で挟まれる哲学的な問いが、謎を解く鍵になっていたように思う。
どうしても理解できない不合理なことって、実は自分がものを見る前に勝手な決めつけをしてて、そのゴールにたどり着かなかったというギャップの現れなのかもしれないですね。

ここ最近は犀川先生と萌絵ちゃんの別行動が多かったので、やっとタッグ来た〜という安心感ありました笑
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以下印象的ワード

⦿『名乗るほどの者じゃありません』
⦿ 余裕を失うことほど、幸せなことは、人間にはないだろう
⦿『先生は私に対しても猫を被っているのですか?』『うん、12番枚くらいかな』『じゃあ本当の犀川先生ってもっと小さいんですね』
⦿『人間がどうして戦争するのか考えてみてください。領地、資源、民衆、宗教そんなものは全部見せかけの理屈に過ぎない。そうやって理由を分析して安心しているだけのことなんです。実は何かを求めているわけではない。ただ、人間は推移のプロセスを見たいだけなんだ。形が変わる、歴史が変わる、その瞬間を見たいだけなんだ』

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年1月16日
読了日 : 2024年1月18日
本棚登録日 : 2023年12月11日

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