読み終えた時、今まで読んだ全てがブルースだったんだと思えました。主人公である武史の生き方、操との愛、バンドにかける情熱、ジュンとの妙なフィーリング、何もしないで過ごす怠惰な1週間・・・。その全てがブルースで、それは「Steady Rollin' Man」の世界をそのまま小説にしたようで、それでいて幸せなことも沢山待っている。非常に、読んでいてときめいて、興奮しました。
武史はきっと、最初は丸かったのが操との出会いによって徐々に刺々しくなってきて、逆に操は最初は刺々しかったけど、武史との出会いによって丸くなっていった。最後はもう可愛い女の子になっていました。
ここに書かれているのは、「音楽」でもあり、「セックス」であり、そして何よりも「ブルース」なんだと思います。
素敵な音楽小説に出会えました。
ちなみに、性描写はどの作家も描くけれど、花村氏の描写は逸品だと思います。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2007年2月8日
- 読了日 : 2007年2月8日
- 本棚登録日 : 2007年2月8日
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