アラスカ 風のような物語(小学館文庫) (小学館文庫 G ほ- 1-1 VISUAL SERIES)

著者 :
  • 小学館 (1998年12月4日発売)
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本棚登録 : 464
感想 : 31
5

写真家、星野道夫のエッセイ。

英語の教科書に彼を紹介した文章が掲載されていた。それで気になっていたので、ようやく読了。

写真家としてしか知らなかったが、写真よりも圧倒的なエッセイ力がすごく、感動しっぱなしだった。美しい写真を撮れるだけじゃなく、こんな素敵な文章も書けるなんてズルい。

アラスカの自然を撮る写真家と聞いていた。
だから、自然を敬う、自然の美しさを称賛する系かと思いきや、自然と共に生きる人々の生活が中心だった。

文章がめちゃくちゃ上手いというわけではなく、素朴な文章で淡々と書かれる。
でも、書かれている内容が素晴らしいし、何より自然に対して素直に生きる彼の生き方がそのまま現れているような文章だ。


感動的な箇所が多すぎて、長文になりそうなので、思ったことを箇条書きで。
・意外と面白い雑学も多かった。「アラスカは常に発見され、そして忘れ去られる」ということわざ。シベリアにはタクシーみたいに手をあげたら乗れる列車があること、など。
・寄生獣と同じで、自然に対しては、平等な目線。人間が強者となって地球を破壊することはそれはそれで自然、という考え。
・地元の人と話すことで、その土地が自分に馴染む。この論はめっちゃ共感できた。
バーで東京の人と出会って初めて東京が馴染んできた気がする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2023年2月11日
読了日 : 2023年1月7日
本棚登録日 : 2023年1月4日

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