この作品が何十年の時を経ても全く色褪せず、今でも読んだ人の心の中に、ただのSFの枠を超えた新しい感情を運んでくれるのは、この作中に登場する世界が迎えている危機や、作者の伝えたかった事が、いつの時代も人類が抱えている普遍的な課題なのだからだと思う。
人が生きていく為に日常行っている仕事や作業は、それ自体、人間が文化的に生活する上で必要な感情を育む為のものであり、それが機械に受け渡される事で、自由になる時間が増える代わりに、とても大切な機会を失ってしまうのだと感じた。
初めて彼の作品を読んだが、全編にわたってその世界観を作り上げている構成がとても緻密で、まるで映像を見せられているようなリアルさを感じる事が出来た。
これに始まり、他の本も是非読んで見たい。
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- 感想投稿日 : 2018年4月7日
- 本棚登録日 : 2017年12月30日
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