私はゴースト [DVD]

監督 : H・P・メンドーサ 
出演 : アンナ・イシダ  ジーニー・バロガ  リック・バーカート 
  • TCエンタテインメント
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感想 : 6
3

Amazonプライムで無料だったので見た。
素敵なアンティークに囲まれた屋敷に1人暮らす女性エミリー。
ベッドから起き、掃除をし、読書をして、買い物に行き、目玉焼きを焼き、パンと一緒に食べ、ナイフを振り上げ、右手に怪我を負いながら洗面所で顔を洗う。
また次の場面でも同じことの繰り返し。
しかし母親の部屋から異質な雰囲気を感じる。
部屋に入ると女性の声。
声の女性はシルビア。
エミリーはゴーストで、シルビアは除霊師だと言う。

何時エミリーが亡くなったのかは言わない。パニックを起こしてまた居なくなってしまうから。
これは初めてのコンタクトではない。
屋敷に生きていた頃の行動を延々繰り返していて、今現在に屋敷の持ち主に雇われエミリーを成仏させる為にいると言う。
普通のゴーストならば自分がゴーストだと気がつくと自然と成仏するものだけどエミリーはとどまってしまっている。
成仏するためにはエミリーの死の謎を解き、因果から解放される必要があると言う。
その為には(エミリーにはシルビアの姿が見えていない見えないけど)シルビアの体を通り抜ける必要があるらしい。
一度は拒否するエミリー。
しかしまた同じ1日を繰り返し再びシルビアに召喚される。

エミリーは「自分は悪魔のような者にナイフで滅多刺しにされ殺された」と思っていたが、シルビアは「殺されたんじゃない。自殺だ」と教える。
生前のエミリーは多重人格で、妹を殺しかけ、エミリーを救おうとした父が亡くなったあとはエミリーを疎む母親に折檻され見捨てられ、1人残され自殺した。
でもエミリーにはその記憶がない。
なぜなら自殺をしたときに人格がエミリー自身ではなかったから。
そのもう1人も自分がゴーストだと認識し、因果を解かないとエミリーは成仏ができないとシルビアは教える。

もう1人の自分は屋根裏にいる。
母親に折檻された記憶を持つのはそのもう1人のエミリーである「彼」だけ。
全ての辛い思い出を背負わされ、「彼」はエミリーに殺意を抱いている。
エミリーが屋根裏を覗くと、白塗り全裸の「彼」が襲ってくる。
逃げるエミリー。
徐々にエミリーの記憶が正確に蘇り始める。
朝起きて自分の顔を殴り、目玉焼きを焼いていた熱々のフライパンに自らの手を押しつけ、食卓でナイフを振り上げ自分の右手に突き刺し、洗面所で鏡に頭をぶつけて叩き割る。
エミリーの体を傷つけるような行動を「彼」がとっているらしい。
そして最後にはエミリーの体をナイフで滅多刺し。
その場面でシルビアの声が響く。
「死者よ立ち去れ!光に導かれよ!」
エミリーをナイフで刺していた「彼」もまた因果から解放されて、死の場面を離れた場所から見る。
部屋にはエミリー、「彼」、自らの腹にナイフを刺すエミリーの残像の3つのエミリー。
エミリーはやはり他殺ではなく自殺で自分で腹を何度も刺していた。
シルビアの除霊の声が何度も何度も聞こえる。
エミリーの残像は徐々に消え始め「彼」も禍々しい姿から怯えた様な表情に変わる。
しかし光はちっとも見えない。暗闇に包まれていくばかり。
恐怖と心細さにエミリーが何度も呟く「私はゴースト、私はゴースト」

幽霊の立場から描かれたホラー映画。
生前の自分を知り、自分の別人格に追いかけ回される恐怖。
途中でエミリーが「自殺だった」ってわからない方が面白いんじゃないかな。
悪魔に殺されたんだと思ったら実は別人格だったって最後にわかる方がビックリする。
日常の描写でエミリーの家族の写真と思われるものの他に、謎の男性2人(双子?ハグしていて仲がいいのかそれ以上の関係性なのか不明)の写真や組み合わされた鉄の人形の映像が意味ありげに出てくる。
エミリーは女性だけどちょっと「男性が女装しているのかな?」って感じに見える時もあるので、実は男性なのか?とかも思ったけど全然関係なかったみたい。
最後のシーンは成仏できなさそうな感じでモヤモヤ〜っとした終わり方。
全然関係ないけど、主役の女性は日本人かな?石原真理子の若い頃に似てる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 映画
感想投稿日 : 2020年7月11日
読了日 : 2020年7月11日
本棚登録日 : 2020年7月11日

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