ノワールの萌芽を文体から感じることはできるが、狂気に蝕まれた少年たちの殺戮を描くことに終始し、意味あり気な構成をとりながらも、雰囲気重視の空虚なプロットのため、後味の悪いホラー映画に影響を受けた作品という感想しかない。解説を書いている馳星周が如何にも好みそうなダークな暴力に満ちてはいるが、狂っていくまでの過程が説明されず、当然のこと登場人物らの造形が浅いため、無残な破滅へと至る終幕であっても、そこから得られるカタルシスは薄い。作中でも触れているが、恐らくサム・ペキンパーの「わらの犬」へのオマージュなのだろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ホラー
- 感想投稿日 : 2016年1月7日
- 読了日 : 2016年1月7日
- 本棚登録日 : 2016年1月7日
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