最悪の将軍

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  • 集英社 (2016年9月26日発売)
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感想 : 59

学生時代に、「生類憐みの令」=犬公方=駄目な将軍=徳川綱吉。

そんな思いがインプットされていたのを、180度回転させるような小説であった。

徳川家の代々父から子への将軍受け継ぎを、兄から弟ヘという異例の中継ぎの将軍職へ。

廻りの反感もあっただろうし、今まで、反目していた輩達には、目の上のこぶであっただろう

泰平の世を目標に、頑張っているのに、自分の意志が、下へ通じず、中間の者が、自分にお咎めが無いように、捻じ曲げた考えを、世間ヘ、伝えてしまうもどかしさ。

不運にも、江戸の大火、富士山・浅間山の噴火、松の廊下事件に、赤穂浪士の討ち入り。

養子縁組等、、、そして、上に立つ者の定めで、波風の立たないように、江戸に戦争が起こらないように、苦慮しないといけないのである。


老後、綱吉と信子に子は無かったし、伝の子供たちは早逝してしまっていたし、麻疹で亡くなる前に、身近な臣下が、居れば、このような悪名高い将軍のように言われなかったのでは、、、、ないだろうか?

真理、推定を、逆さから眺めてみるのも一理ありと、思った作品でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2017年7月3日
読了日 : 2017年7月3日
本棚登録日 : 2017年7月3日

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