機械じかけの小児病棟 [DVD]

監督 : ジャウマ・バラゲロ 
出演 : キャリスタ・フロックハート  リチャード・ロクスバーグ  エレナ・アナヤ  ジェマ・ジョーンズ 
  • 松竹ホームビデオ
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感想 : 20
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安定のスパニッシュ・ホラー。

医療ミスの経験を持つ看護師エイミーが復帰したのは閉院間近の小児病棟。そこに入院する子供達の一人、マギーは「この病院にはシャーロットという機械の"彼女"がいる」と言う。
同僚達は口を揃えて「シャーロットなんていうのはこの病院に伝わる昔からある怪談だが、おかしなことは何もない」というものの、しかし病院では夜中の怪音のほか、エレベーターが誤作動したり子供が突然原因もなく骨折するという説明のつかない謎の現象が起きていた。
エイミーはシャーロットの謎を突き止めるため、前任の看護婦が死ぬ前に会っていた霊能者から「あの病院の二階には異界がある、人ではないものが棲んでいる。彼らは死んだ場所でも愛着がある場所でもなく、ただ愛する者の側に棲みつくのだ」と聞き出す。
そこでシャーロットが実在した証拠を探すためにエイミーは閉鎖された二階へ上がり、一枚の写真を発見する。そこには少女と看護婦が写っていた。マギーの見た「シャーロット」という少女の存在を確信したエイミーは、その正体を突き止めるべく古いカルテを探すも見つけることが出来ない。そうこうしているうち、怒り狂ったシャーロットの亡霊は次々と犠牲者を出していき、ついに病院の建物は崩壊寸前まで追い込まれる。院長に詰め寄ると、ついに「シャーロット」について、「あってはならない、とんでもない醜聞だった…」と話しだした。曰く、骨が折れやすい病気になった少女の世話をするために雇った看護婦が居たのだが、少女は良くなりかけるとまた悪化するという状況にあった。病院側は、少女が何故なかなか退院出来ないのかを探ったところ、なんと看護婦が少女と一緒に居たいがためにわざと骨折させていたことがわかったのだった。しかしそれが発覚した時、既に看護婦は少女を殺害し、少女の付けていた器具を体に無理矢理装着した上でエレベーター坑に身を投げた後だった。
そしてその看護婦の名前が「シャーロット」というの、と締めくくられ、エイミーは自分が勘違いしていたことに気がつく。
少女シャーロットが「自分の痛みを他人にも味わわせるために人を傷つけている」のではなく、看護婦であったシャーロットが「子供の側にいるために」職員を殺したり子供を骨折させたりすることで閉院に伴い子供達が転院するのを妨害していたのだと。
病院に戻ると、子供達が病院から救出される最中だったが、そこでエイミーはマギーだけがいないことに気付く。マギーは折り合いの悪かった看護婦によって見捨てられ、二階に取り残されていたのだった。エイミーは迫り来るシャーロットの亡霊から間一髪マギーを救出するが、マギーは病気により、エイミーは出血によって命を落としてしまう。医師による必死の救命活動の甲斐なく心肺停止状態から死へと向かうエイミーだったが、その体にはエイミーの霊が寄り添っていた。エイミーは映画で見た眠り姫が真実の愛のキスで目覚めたのを思い出しながら、マギーにキスをして命を救う。
目が覚めたマギーの側には、姿こそ見えないが寄り添うエイミーの姿があるのだった。霊は愛する者の側に棲みつくのだ…。


というハートフル(?)幽霊ストーリー。途中まで少女の霊だと思わせるようなやたらキラキラしい幽霊の足のショットを挟みつつ、最後シャーロットはめっちゃおばさんやん気持ち悪ッ!というどんでん返し。好きか嫌いか好みがわかれそうな作品だけど個人的にはラストのキスエンディングだけちょっとわかんないものの、全体的に雰囲気も病院のセットもシャーロットの設定も好ましい雰囲気だと思っています。アメリカ映画と違って子供を容赦なく痛めつける描写も怖さとエグさがあって◎。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他映画
感想投稿日 : 2015年7月8日
読了日 : 2015年7月8日
本棚登録日 : 2015年7月8日

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