【NHKあさイチで紹介】マイノリティデザインー弱さを生かせる社会をつくろう

著者 :
  • ライツ社 (2021年3月3日発売)
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本棚登録 : 1130
感想 : 88

広告マンだった著者が視覚障碍者の息子の誕生をきっかけにマイノリティに関連する仕事に切り替えたよ、という本。

 申し訳ないのですが、途中までしか読んでいません。
 (正確には157pまで)

 苦手だなと感じながらも読み進める努力はしましたが、どうにも肌に合わなかったです。違和感は以下に箇条書きで。

・本全体を端的に言うなら、広告マンが自分を広告した本
・広告業に携わってきた過去の影響が色濃く、(著者ご本人がどう考えているかは別として)「マイノリティを応援したいという純粋な気持ち」よりも「広告業の自分が活躍できる場所」「自分が輝けて、ビジネスになる新しいステージ」のようにマイノリティを捉えていて、それをダシにしているように(個人的に)感じてしまったこと
・キメゾーとか電車の中吊り広告の良さが私にはイマイチ分からなかった。「マイノリティを応援」なら、あんなに文字を詰め込んだ広告が、下から見上げる車椅子ユーザーや視力の悪い人間などには不向きだということや、「キメゾー」では女性に対する思慮の浅さが、気にならなかったのだろうかと疑問に思った
・実は消費されているのは作り手の自分!➡いつの間にかファスト・ピープルになっていた!➡そうだ、SDGsだ!持続可能な広告を作ろう! というくだりは、さすが広告マンというか……ミーハーなんだな、という印象を持った(個人的には苦手な考え方)


著者と直接関係はないですが……

・「未来のブラインドサッカー候補」で盛り上がる話が出てくるが、健常者であれ障害者であれ、夢を押しつけるのはどうなの? と感じた。ブラインドサッカーは障害者だけのものだよね、と考えているようにも取れる
・ユナイテッドアローズのディレクターの話に疑問を感じた。「福祉ではなくビジネスです」って、これって「同情じゃなくってビジネスとして対等ですよ、上にも下にも見てませんよ」を強調したかったのかもしれない。でも、裏を返せば「ビジネスにならない相手には取り組みませんよ」ともとれる。前後の話がもう少し欲しかった

諸々、ごくごく個人的意見ではありますが、どんどんモヤモヤしてきてしまったので、不本意ではありますが本を閉じることにしました。
私の「貴重な時間を、この本に使っていいの?」という問いかけを、私自身、この本を参考にして問いかけたところ、Noという答えが出た、というところです。

実際、コピーライターを目指している人や業界の向きを知りたい人、マイノリティ周辺の広告に携わりたい人には向いているかもしれません。あなたがその周辺にいるのであれば、読んでみる価値はあるかもしれません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: やめた
感想投稿日 : 2022年8月10日
読了日 : 2022年8月10日
本棚登録日 : 2022年8月10日

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