ジョーカー・ゲーム (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店 (2011年6月23日発売)
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本棚登録 : 9675
感想 : 1009
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物語の時代は第二次世界大戦。
結城中佐の発案で、陸軍に内に極秘裏に設立されたスパイ養成機関"D機関"。
「殺人、及び自決は、スパイにとっては最悪の選択肢だ。」など、当時の日本軍内では考えられない武士道に反する精神を持った集団。
(もちろん陸軍内で閑職の立場に追いやられるも、実力でポジションをもぎ取る。)
ちなみに本著は長編ではなく、その"D機関"のメンバーそれぞれのミッションやストーリーが描かれた短編集だった。

D機関の面々がプロフェッショナルかつインテリジェンスで、戦時中の日本でこのような人間を果たして育てることが出来るのかと言いたくなる。
日本軍や諸外国の関係者を出し抜く話ばかりだが、果たしてそこまで賢い人間が戦時中にいたのか・・・


p228
「スパイとは、見えない存在だ。」
見知らぬ外国の土地にたった一人で留まり、その地に溶け込み、誰にも正体を知られず、自分の判断のみを頼りにその国の情報を集め、分析し、本国に送り続ける。それこそがスパイの優れた条件なのだ。


いやー
D機関のスタッフ達も頭が切れるが、結城中佐のキレ具合とたまに見せる温情に濡れちまうぜ。
和製ジェームス・ボンドを思わせる、完成度及び頭脳の発達が高いスパイ達に、読んでて胸がアツくなったぜ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2017年9月30日
読了日 : 2018年9月26日
本棚登録日 : 2017年9月30日

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