「これは決して楽しい仕事ではない。でも、心のどこかで〈悪霊の仕業以外の何者でもないものすごい恐怖〉と言うのを味わってみたいという欲求もある」と語る北野氏の言葉は本音であると思う。他人事だから、自分には害が無いから、怪談を純粋に楽しむことができるのだ。それを仕事だからという理由で、お守りも持たずに取材する勇気に感服する。
怪異蒐集家の中山市朗氏が登場する体験談(巷では「京都の幽霊マンション」と呼ばれているらしい)もあり、やはり狭いギョーカイなんだとあらためて納得した。しかも、その話は中山氏が執筆している『現代百物語「新耳袋」第六夜』にも載っており、以前読んだ覚えがある。いろんな角度から一つの実話怪談を捉えることができるなんて、素敵過ぎる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
心理学
- 感想投稿日 : 2019年11月23日
- 読了日 : 2012年4月6日
- 本棚登録日 : 2019年11月23日
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