話す技術・聞く技術: ハーバードネゴシエーション・プロジェクト 交渉で最高の成果を引き出す「3つの会話

  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2012年11月1日発売)
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感想 : 52
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正直、読み通せなかった…。
まとまりがなく、実用性も乏しく、読み始めてそれに気づいたので後は拾い読み。

20年以上前に刊行され、10年くらい前に追補されたそうだが、例示やその取り扱いが古い。話し合うテーマが子どもへの体罰だったり(「子どもをぶつのは、とにかくぜったいに間違っている」こうした断言は、あなたの友人にとって非難がましく、あるいは無遠慮に聞こえるだろう。だそうだ)、相手の話をとても聞ける状況ではなくなるケースがルームメイトがバイセクシュアルであることを知ったことだったり(まあそういう人もいるでしょうけど…)。
ここから学べるのは、恐らくこの本が当時も保守的で人権意識に欠けていたわけではなく、この10年くらいの間に、子どもの教育やマイノリティに関する意識が高まったのだろうということ。だから、この点だけをもって本作を低評価にはできない。

だが一方で、普遍性のある著作なら、そうした古めかしさにもかかわらず読む価値が感じられるものだと思う。本作にはそれがあまりない。

相手ばかりを責めてはいけない(が、その事例の一つがセクハラって…)、とか、人は世界を違った見方で見るし違った解釈をする、というのは尤もだけど目新しい意見ではないし、感情をめぐる会話をし始めたら(特に仕事の場で)話はかえってこじれる、という一般論の方が、本作の主張より有効だと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年7月16日
読了日 : 2023年7月16日
本棚登録日 : 2021年11月21日

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