火の鳥 1 黎明編 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (1992年12月8日発売)
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本棚登録 : 2004
感想 : 228

これから火の鳥望郷編を初めて読まれるという方は、角川版ではなく復刻オリジナル版、手塚治虫漫画大全集版、もしくは朝日ソノラマ版のいずれかを読まれるべきだと思います。

以下1巻感想。
その生き血を飲むと不老不死の力を得ることができるという伝説の「火の鳥」をめぐる、全13巻の壮大なストーリー。1巻黎明編では、古代日本を思わせるクマソの国・ヤマタイ国・高天原族の3つの国の人間同士による争いが描かれます。

主人公ナギを始めとして、この物語の多くの登場人物が火の鳥の力を欲しているのですが、その一方でナギの姉ヒナクなど、永遠の命を否定する人間もいる。

「一千年もかかったらねえさんはとっくに死んじゃってるよ」
「そりゃそうよ。でもこの子たちの孫の孫の孫は生きてるわ」
「また村が滅ぼされたら?」
「また産めばいいんだわ。私が産まなくたってだれかが産むわよ」

クラっときました…すごい台詞です。生きて、子供を産んで、死んでいくこと。物語後半部で主人公のナギがあっさりと死んでしまうことにも驚きました。希望の象徴であるヒナクの子供が火の鳥と対話し、外の世界に出ていきます。

地名や登場人物の名前(イザ・ナギ、ヒミコなど)から、古代の日本のお話かと思っていたのですが…次巻未来編ラストを読んで驚愕しました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年12月31日
読了日 : 2012年12月23日
本棚登録日 : 2012年12月23日

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