仕事道楽: スタジオジブリの現場 (岩波新書 新赤版 1143)

著者 :
  • 岩波書店 (2008年7月18日発売)
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中高生のころ太宰や賢治や中上を読んでいたころは、純文学作家に対するクリエイター信仰のようなものがあった。
作家性は自然に生まれるものだ、とでもいうような。
のちに大江や春樹の自己神話化、三島の自己ペルソナ化といった「作家性づくり」あたりで、あれーもしかして……と。
桜庭一樹が編集者との会話や読書の感想語り合いからアイデアを得ていると知ったあたりで、信仰は崩れた上で再定着した。
小説ですらそうなのだから、携わる人の多い映画ではなおさら。
そんな中で鈴木敏夫の名前によく出くわすようになったのは、押井守を追っていたときだった。
そのときから、うわーこの内輪乗りキビシー。と感じていた。
その後ジブリあれこれで、鈴木発の情報を仕入れざるを得ないようになり、その都度「嫌な感じ」を抱いてきた。
ここ数年でわかってきたのは、この人が上司なり同僚だったらうざいなー。ということ。
実際鈴木から連想する上司もいるし。
だいたい作務衣着て、何かと言えば会議と言って人を呼びつけて長話して、それをメディアに流用したりして、いい意味で公私混同していく、好きなのは書道!という。
クソパワハラジジイ。それも無害な顔をして、昔はとんがっていたなーとか言い出す。
周囲もおそらく、まった鈴木サンがうるさいから、題字お願いして会議早めに終わらせようか、とひそひそ相談している。
駿の場合は、そういうハラスメント気質やそれゆえの孤独も愛せるが、この人はやっぱり、いやだ。
ラーメン屋で毛筆で社則みたいなのを掲示しているが、それをポスターに使うセンス、やめてくれないかな……。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 映画本
感想投稿日 : 2020年7月19日
読了日 : 2020年7月19日
本棚登録日 : 2020年6月29日

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