北斗の拳 15 (集英社文庫(コミック版))

著者 :
  • 集英社 (1998年5月15日発売)
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本棚登録 : 320
感想 : 19
4

・(バラン)神ではなくわたしに祈るのだ!!
・(ケンシロウ、バランの死体に)ラオウになりかわってリュウに男の死に様を教えてくれたか。
・(姿を消したケンシロウを思って、リュウ)いつの日か父ラオウを超えてみせる!! ケン! オレはケンにそれを誓うよ!!
★ケンシロウはひとりユリアの眠る地に向かう。と、マミヤが待ち伏せしており、バットはリンの失われた記憶(すなわちケンシロウへの愛)を隠したまま結婚できず、記憶を取り戻すためにふたりで旅に出た、と教えてくれる。第1話で3人が出会った地下牢?に向かうケンシロウは、しかし(ユリアの采配で?)記憶を失ってしまった。バットは、記憶のないふたりならば新たに関係を作ればよいと考えて、ふたりを残して去ろうとする。が、以前ケンシロウに倒され視力を失ったにもかかわらず執念で胸に七つの傷を持つ男を探しているボルゲ。バットは自ら胸に傷をつけて戦い、サイボーグの身体に負ける。一方記憶を取り戻したケンシロウがバットを助ける。同じく記憶を取り戻したリンは、バットの遺体を葬るためにために残り、ケンシロウは去る。しかしバットは秘孔を突かれており、蘇る。
・(ケンシロウ)死なせはせん…。おまえはオレにとって弟だ!!
・(リン)バット。かわらないのね、いつまでも…。
・(ケンシロウ)この傷も、その傷も、おまえの受けた傷はオレやリンのために負ったもの。おまえのやさしさの証だ!! おまえは、すばらしい男だった!!
・(ケンシロウ、バットのために残るというリンに)行くがいい。オレの心はいつもおまえのそばにいる。(とか優しい言葉をかけちゃって!!!)
・(ケンシロウ)オレの墓標に名はいらぬ!! 死すならば戦いの荒野で!!

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集英社文庫全15巻。
面白いのは……
・「人を殺して捨て台詞」(タマフル)的な「不謹慎な」面白さ。ケンシロウのセリフのフカシ。ザコに対しては非情(ここぞとばかりにサラリと残虐描写を)。
・スピードスター的(天津飯的、ピッコロ的)役割人物はバトル漫画には必須なのね。
・北斗以外の噛ませ犬的な見た目。小物な感じ。血統重視。
・それと比べてラオウのすさまじさ。
・言葉遣いが面白い。「このラオウは」と自称、相手を「うぬ」と呼ぶ。
・男泣き。哀しみの表情。強敵すなわち「とも」。「悲しみという強さ」という発明。
・後半に行くに連れ、新キャラが必ずラオウからの影響を受けている。「ラオウ伝説」の凄まじさ、「ラオウの魂」の偉大さ。「ラオウ」という言葉の多様な含意を生み出しただけでも、この漫画は素晴らしい。
・伝承というテーマ。兄弟というテーマ。それに比べたら愛というテーマは、うーん……。やはりホモソーシャルな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 漫画
感想投稿日 : 2017年12月20日
読了日 : 2017年12月20日
本棚登録日 : 2017年12月13日

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