怪しげな古道具屋をめぐる、非日常的な話。
不思議系の軽い連作短編集と思いきや、終盤は一気に加速して全体を貫く大きな筋が見えてくる。
京都在住の作者ならではの、阪神淡路大震災をテーマにした第2話は、ページ数も多くリアル感に圧倒される。が、その分バランスはかなり悪くなってしまった。
論理的な種明かしを綿密に描いているので、1話それぞれは軽いほうがよく、逆に1話の重みを重視するならつながりはあっさりのほうが、一貫性が出るのでは。おもしろいのだけれど、ちぐはぐして読みにくさが残った。
読後、表紙の絵には深い意味があるのだとわかった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
さ行
- 感想投稿日 : 2017年3月21日
- 読了日 : 2017年3月20日
- 本棚登録日 : 2017年3月18日
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