ハーレキンとは道化師のこと。顔は笑っていても、心の底は…。ハーレキンのように、素顔の見えない人たちばかりが登場する。
幼い子供を失い、経営していた会社がつぶれ、妻には去られ、ホームレスとなった家具職人の男が主人公。暗い過去から逃れられず精神的に不安定な状態が続くが、ホームレス仲間と共に仕事をこなすうちに、自分を取り戻していく。
隠された過去という意味では、『透明カメレオン』と同系列だろう。
ただ、途中の事件や貧乏神のような幻影など、思わせ振りの割には中途半端でまとまりに欠ける。ストーリー運びや伏線の回収も含め、出来としてはカメレオンのほうがはるかに上だと感じる。
読む順が出版順とは逆になってしまったけれど、カメレオンを読んだときピエロを思い浮かべた。この作品を昇華させたのが、カメレオンなのかな。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ま行
- 感想投稿日 : 2015年10月13日
- 読了日 : 2015年10月13日
- 本棚登録日 : 2015年10月8日
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