1975年の小学館版「日本の歴史14戦国の動乱」をもとに加筆・改稿したもの。
「世界史の成立と新技術」「布教と貿易」「日本歴史上の戦国時代」を読んだ。
・ポルトガル船は1513年には広州に進出し、香料を売って生糸・絹織物を買い付けた。
・日明間の勘合貿易は1547年に終わり(大内家滅亡、細川家も衰退)、倭寇や中国商人(王直など)の密貿易、琉球商人の中継貿易に代わった。中国から積み出したものは、生糸・綿布・硝石など。さらに、明の海禁統制が強化されると、1550年前後からポルトガル商人に代わった。
・衣料の主力はからむし・麻から木綿へ代わった。木綿の軍事的用途は、兵衣、帆布(以前は藁草)、火縄。朝鮮では15世紀初めごろから木綿の栽培・生産が始まり、日本へは応仁の乱の頃から流入した。買い付けには銅や銀が用いられた。日本で栽培が広まるのは16世紀に入る頃。
<下巻>
・肉食が盛んではない日本では胡椒を必要としなかったことが、ポルトガル人による対日貿易が始まるのが遅れた理由のひとつ。
・戦国大名の城下は地方都市として発展、物流拠点としての港津都市が増加、廻船や馬背輸送にかかわる人々が増加した。京都は手工業品の生産地として再生し、近郊農村では農産物加工(絞油、ソーメン、竹製品、炭など)が発展した。戦争による物流の飛躍的拡大により、商人が急成長した。
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- 感想投稿日 : 2012年8月15日
- 読了日 : 2012年8月11日
- 本棚登録日 : 2012年8月15日
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