長い間、財務諸表を読む習慣を身につけたいと思ってました。
しかし、ずっと先延ばしにしていました。
会計(アカウンティング)は、外国語だという人がいますが
言い得て妙だなと思う。
財務諸表を読めるか、読めないか、
この違いは、誤解を恐れずに言えば、より良い人生を築く上で、
かなり大きいファクターになるのではないだろうか。
話題になっている会社の売上、利益(正確に言ううと、PLも正確に読めていなかったので、ネットニュースか、新聞に出てくる数字だけを言う)
知ったかぶりをして、ドヤ顔で話すと、何となく、数字に強いんだと思っていた。
また、会計とファイナンスの違いは、何ですか?と聞かれたら、
どう答えればいいだろうか?
会計は、利益を扱って(PLがあるから)、ファイナンスは、キャッシュを扱う。
といっても、ピンとこない人は、たくさんいると思う。これに、ピンとこないということは、相当な重症だと思った方がいい。また、会計とファイナンスは対象となる項目の時間軸が違う、会計は企業の過去の数字を扱い、ファイナンスは未来を扱う。
この観点からすれば、財務諸表を読むとは、企業の財務面の歴史を知ると、
言い換えても良いと思う。数字の中には、ドラマがある。
私は正直、告白をすると、仕事をして何年経っても、財務諸表(BS、PL、CS、株主資本等変動計算書)をまともに見たことはなかった。正確に言うと、ちらっと見て、チンプンカンプンでやめてしまった。仕分け項目の日本語が全く意味がわからなかった。
わからない用語を調べるも、あまりに膨大なので、すぐに投げ出していた。
ある程度おっさんになると難しいことを理解することから逃げる。
わかること、できることばかりやろうとする。
この本を読むと、なぜ、自分が過去、会計の一分野である財務諸表を読むことから、
逃げていたのか、チンプンカンプンだったのかわかった。
その理由は、「手を動かしていなかったから」に尽きる。
財務諸表に出てくる会計用語を、逐一調べても、財務諸表を読むことはできない。
それは、自分で数字を動かしてみて、初めて、その仕分け項目の意味と機能が、
わかるようになる。
例えると、英語の単語を知らないで、洋書を読むおうなものだ。
また、数学の公式を覚えても、数学の問題は、中々解くことはできないことに、
似ている。自分で、書いて、考えて、間違って、思考しないと、英語も、数学も、
会計も理解することはできない。この点で、スポーツにも通じる所がある。
サッカーをテレビで見ても、サッカーは決して、うまくなることはできない。
この本が売れたのは、財務諸表を自分で作つて、その数字を動かしてみて、
わかる実感が得やすかったからだと思う。
もちろん、この本は、ただ読んだだけで、理解できるように、作られてはいるが、
私みたいに、会計用語を見ると、すぐに脳の一部がフリーズ状態になり、
全く用語も数字も入ってこない人は、「書いた」方が、身に着くと思います。
もの凄い、面倒ですが、長期的にみれば、ただ読むより、理解度が進むと思います。
この本をきっかけに、決算になると、どこの会社が減益だとか、増益だとか、
決算発表会が荒れたとか、ROEが増えたとか、非常に敏感になりました。
もしかしたら、財務諸表を読む習慣というのうは、自社や他社の業績を財務という視点から、数字で理解できるという利点の他に、資本主義社会で生きていかなくてはならない上での重要なノウハウが身につくようになると思いました。そのきっかけとして、この本は、絶大な効果があると思う。
- 感想投稿日 : 2019年12月2日
- 読了日 : 2019年12月2日
- 本棚登録日 : 2019年12月2日
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