本書は労働経済学の入門書である。
労働経済学のエッセンスを凝縮し,数式等をほとんど使わずわかりやすく解説している。また,理論と実証をバランスよく解説しており,文庫ではあるがこの一冊から学べることは非常に多い。
ただし,初級ミクロ経済学の知識がないと読み進めていくのはやや大変かもしれない。
もちろん,この一冊で労働経済学の全てが語られているわけではない。実際研究の紹介でも労働計量経済学的な部分はほとんど語られておらず,具体的な実証分析結果を見ていかなければ労働経済学の本質を見ることはできないと思う。理論についても,本来ならば中上級ミクロ経済学の知識が必要とされるし,したがって本書で述べられている理論は労働経済学の基礎の基礎であるということを自覚する必要がある。
しかしながら,労働経済学を学び始める際のスタートとしてはとても適した本であるように思われる。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2011年10月6日
- 読了日 : 2011年10月6日
- 本棚登録日 : 2011年9月23日
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