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著者 :
  • 新潮社 (2011年8月10日発売)
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本棚登録 : 255
感想 : 42
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福島第一原発の、特に3号機の冷却に立ち向かった自衛隊や、発災直後に沿岸部への道路を切り開いた国交省東北地方整備局など、災害復旧・援助のために戦った人たちの物語。
被災直後の、住民の話を書いている本は多いが、こういったお役所がどう対応したかという本は少ないのでなかなか貴重な話だった。
福島第一原発の対応は、情報が錯綜し、政府も対応が後手に回り、東電もまったく危機管理ができておらず、結果現場に入った自衛隊等が一番苦労するという大変な状況だったというのがよく分かる。一方で、東北地方整備局がいかに道路を「啓開」したかということは好意的に描かれている。たしかに、災害が起きたときにまずすべきことは「救助」だが、その救助のためのアクセスの確保というのはさらに早くしなければならないことで、実は影のヒーローなんじゃないかとまで思った。なかなか取り上げられることはないが、こうしたインフラを支える人たちは偉い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 震災
感想投稿日 : 2019年5月26日
読了日 : 2019年5月26日
本棚登録日 : 2019年5月7日

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