未来予測の超プロが教える本質を見極める勉強法

著者 :
  • サンマーク出版 (2014年11月5日発売)
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感想 : 7
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【この本が書かれたのはなぜか】
世界がグローバル化していく中で、今の日本人は、総合的な知識力が不足し、物事を深く考える思考力が衰えてきたのではないか?という著者の危機感が発端。経済や経営を専門にしながらも多種多様で俯瞰的なものの見方を体得してきた自身のノウハウを伝えることで、現状打破のきっかけにしたいとの思いが込められている。

【著者の意思・主張】
グローバルにつながった経済・社会の中で生きていくためには、思考力や洞察力が必要。なぜなら、異文化の人々とのコミュニケーションには、相手の理解、すなわち「彼らはなぜそのように考えるのか」「彼らはなぜそのように行動するのか」を理解することが重要だから。
思考力や洞察力を鍛えるためには、とにかく視野を広げ、貪欲に知識を吸収し続けること。そのコツは「歴史」と「宗教」を学ぶこと。
例えば、欧米で「基本的人権」と「民主主義」が絶対視される背景は、キリスト教の歴史を辿ることで理解することが可能となる。
同様に、日本のことを理解し、日本人としてのルーツ、アイデンティティについて考えることも重要なこととなる。具体的なヒントとしては、古事記・日本書紀に触れる、など。
さらに、普段から新聞・書籍に慣れ親しむことで、情報収集を絶やすことなく、世の中の大きな流れが見えてくるようになる。加えて著者は、オススメの著書や、新聞の読み方など、具体的なハウツーも提供している。
そして、こういった思考力と洞察力の訓練を積み重ねることで、「直感」が磨かれる。論理的な「ひらめき」と、理由のない「直感」。全者は人を納得させるにはいいが、面白みがない。後者は、人を説得させるには難ありだが、強力な共感者(直感に賛同してくれる人)さえいれば、ものすごいインパクトのあるモノゴトを生み出すことができる。

【所感】
ここ最近、文化や歴史に着目した「人間の本質的理解」の重要性を目にすることが非常に多い。人工知能が人間の知を超える世界(シンギュラリティ)を身近に考えられるようになった近年、テクノロジーによる「文明」だけではなく、文化や精神性といった「人間性」とセットで人類の未来を考える必要性を多くの人々が感じているのでしょう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: お勉強
感想投稿日 : 2016年5月3日
読了日 : 2016年5月3日
本棚登録日 : 2016年4月30日

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