娘と私 (ちくま文庫 し 39-3)

著者 :
  • 筑摩書房 (2014年11月10日発売)
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本棚登録 : 253
感想 : 18

この可愛らしい表紙にとても魅かれて
あっという間にご購入。

「コーヒーと恋愛」もふむふむ、面白くなってきたと
読んでいたのに、まだ読み途中、ですが…
(随分前のことだから最早頓挫している、とも)

さてさて、こちらは
フランスの女性と結婚したが、その女性は亡くなってしまい、
幼子と二人きりになってしまった筆者の自伝的小説。

読みながらだんだんわかってきたのだが、
この本は二人目の妻が病で亡くなったのを機に書くことになったもので、
精神的に辛くしばらくは手を付けられなかったが、
娘が婚約をしたのを機に改めてその妻に感謝の意をあらわすためにも
綴ったもの、だそうで、

題名がこういうのだからと思ったけれど
娘と直接交流と言うのがあまり出てこない。
(娘さんもお父さんの前だと無口みたいだし)
昭和のころの親子ってこんな感じなのですかね…。

奥さんへの感謝を綴った…とあるけれど
ちょいちょいあらわれる男の人の身勝手な感情に
ちょっとげんなりする事も…

これは獅子文六さん目線でしかないなあと思う事も
度々あったけれど、

妻に先立たれ、小さな子供と残された若い男性の
戸惑いや苦労などがつくづくとしのばれた。

最初のうちは仕事もうまくいってないし、
途中戦争もあったり、
全体的に暗い雰囲気の部分が多くて、
だれもふざけたりしないし、
通常であれば私の好みのタイプのお話ではないのだけれど
(暗い出来事ばかりが嫌なんじゃないんです。
誰かがふざけてくれたりすれば私は良いのよ…)

せっせせっせと読み続けたのはやはり
千鶴子さん(2番目の奥さん)がとても気になっていたのかな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2014年12月7日
読了日 : 2014年12月7日
本棚登録日 : 2014年12月7日

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