夜の寓話

  • 白水社 (1992年9月1日発売)
3.40
  • (0)
  • (2)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 19
感想 : 2
4

あ、また読んでる…!

最近知って、大好きになったロジェ・グルニエ、
今回は今まで読んだ山田稔さんでは無い翻訳。

私は作家を評する時、
「あの人は短編を書いたほうが輝く」とか
短編について語ることが多い、のは
もしや自分が短編好きなのではないか?と
今思った。

出会った人、その思い出
自ずと別れ、死がテーマになっている。

10篇の短編集。

ロジェ・グルニエ自身が記者だった体験を生かした
作品が多い。

「厄払い」
カメラマンの「ぼく」と、女性記者のコンビ、
二人が行く先々で「悲劇」が生まれると女性記者は言い、
ある「実験」を…

「あれ、あれってもしかして…」と
別のストーリーを想像する体験は誰にもあるはず。

「すこし色あせたブロンド女」
気になる存在だった女性との再会、
傍観者であった「ぼく」はいつしか登場人物に…

主人公の最後の行動にほっとしながらも…。

「冬季オリンピック」
冬季オリンピックに
昔の同僚で今は作家の男と
自分は新聞社の特派員として行く。

自分が好ましく思い、
また相手も好意を寄せてくれている(と思える)人物、

そんな人の実際の「孤独」に寄り添えていたかなあ、
と考えてしまった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 短編小説
感想投稿日 : 2012年2月25日
読了日 : 2012年2月25日
本棚登録日 : 2012年2月18日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする