作者ロジェ・グルニエが一番気に入っている作品、らしい。
舞台はフランスの小さな町、
幼友達、大金持ちの家の子、おデブのシャルル・メルラン。
その両親はちやほやと異常なほどの愛情を注いでいる。
語り手の「私」はシャルル・メルランをおおいに軽蔑しながらも…
人生においての選択、
一生懸命選んだり、打算でえらんだり、
あきらめてこっちにしたり…
でも過ぎてみるとどういう風に選んだとしても
「もしもあの時…」とふと考える。
付き合いながらも馬鹿にしている、
自分のほうが大層立派だと思っている、
こういうことって心当たりあるけれど、
実は相手も…ということは
もちろんあるだろう。
誰よりも通じ合っている、他に何もみえない、
と思えた瞬間があっても
その状況を冷静に判断しているという現実。
巻末の翻訳者山田稔さんとグルニエさん遭遇話も
大変面白い。
ロジェ・グルニエ!、
宝物のように思える作品群、
「出会ったなあ!」と言う嬉しい感慨でいっぱい。
さらに翻訳をしている山田さんのエッセイも
面白いことを知ったぞ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2012年2月18日
- 読了日 : 2012年2月18日
- 本棚登録日 : 2012年2月5日
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