アンダーワールドUSA 上

  • 文藝春秋 (2011年7月22日発売)
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本棚登録 : 138
感想 : 14
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「アンダーワールドU.S.A.」(2009年)は、キューバ革命とマフィアのカジノ計画の頓挫、ピッグス湾事件、そしてジョン・F・ケネディ暗殺を描いた「アメリカン・タブロイド」(1995年)、ベトナム戦争、キング牧師暗殺、ロバート・F・ケネディ暗殺を描いた「アメリカン・デストリップ」(2001年)に続く、ドミニカとタヒチへの新カジノ建設計画、ニクソン政権誕生などを扱った「アンダーワールドU.S.A.3部作」の3作目です。

シリーズ2作目の「アメリカン・デストリップ」からシリーズ3作目の「アンダーワールドU.S.A.」の間に、「ディープ・スロート」と呼ばれたウォーターゲート事件の内部情報提供者の正体が判明したため、大幅な加筆修正を行ったために出版が遅れたと言われています。

そのためか、マフィアとの絡みや主人公の存在感が前2作と比べて薄れているように感じられました、
それでも、複雑な人間関係とプロット、現実と理想の狭間に揺れる登場人物の葛藤、逆らおうとしても抵抗することのできない大きな流れなどはシリーズを通して健在です。

マフィアのボス、暗殺犯、大統領など、実在した人物が多く登場するため、虚実入り混じったストーリーにも関わらず史実と捉えてしまう人もいるかと思います。

もしも願いが叶うなら、加筆修正を行う前の作品を読みたかったと思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノワール
感想投稿日 : 2011年11月30日
読了日 : 2011年11月25日
本棚登録日 : 2011年11月25日

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