小説十八史略(四) (講談社文庫)

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  • 講談社 (1992年4月3日発売)
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 三国志の時代の逸話は懐かしいものもあれば、吉川三国志に登場しない話も。関羽が今一つ知恵に欠ける存在だったり、赤壁の戦いがほとんど周瑜の戦いであったり、これが事実に近いのだろう!呉の呂蒙に対して魯粛が「呉下の旧阿蒙に非ず」、「男たるものは三日も会わねば刮目すべき」のやり取りはここだったのだ!孟獲が7度降伏したという逸話が知恵の人・孟獲と孔明の間の八百長だったとの解釈は目から鱗!面白い!!確かにそのようの宋・斉・梁・陳、そして北朝は北斉の滅亡と北周による統一、隋に至るまでの、酒と美女に溺れる乱脈の数々。そして美女皇后たちも醜い姿。この繰り返しには呆れかえる。これが南朝の六朝文化、北魏での仏教文化など華やかな成果の陰の部分としての現実だったのだ。そして統一後の隋の煬帝もまた…。いよいよ唐の登場である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史小説
感想投稿日 : 2017年12月8日
読了日 : 2017年12月8日
本棚登録日 : 2017年12月2日

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