中世に登場する多くの源氏という人々。嵯峨源氏に始まり、仁明、文徳、陽成、光孝、宇多、醍醐、村上、三条、後三条源氏など。彼らが時の天皇家のあまりの人数の多さに国家財政面から臣籍降下したということがわかるのだが、その膨大な人数に驚き。著者は良くここまで、調べ書き連ねていったと驚くばかり。天皇の代替わり、系統の移りとともに、過去の源氏が姿を消していく。彼らの子孫は一体どうなっていったのかと思う。その中で、摂関家(特に道長)と強い関係を持った村上源氏が生き残った形になるのはむしろ、藤原氏の影響というのも皮肉なところ。「光源氏」の名前を関した人物も実際に「源光(仁明源氏860年生)」がいたというのはご愛敬。生き残った村上源氏の末裔として久我家、岩倉(具視)家などがあるというのは勉強になった。武士になった嵯峨源氏から渡辺綱が出て、渡辺家、松浦家に繋がっていくということも。また藤原道長・頼道にも詳しく、彼らの親族もまた村上源氏に囲まれていたということも。これにしても名族と言いながら、真に日本史の重要人物として数えられる人は実に少ない…!
そして今の皇室の男性の枯渇状態との大きな落差を感じた。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本史
- 感想投稿日 : 2020年1月26日
- 読了日 : 2020年1月25日
- 本棚登録日 : 2020年1月26日
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