落ち着きのある京都を舞台に、二人の男女が描かれた作品。ラスト、本当に涙腺が緩みました。
テーマは恐らく、彼女の心の不安定さと人の心底に潜む暗い部分、それから作中でも触れられているように、国籍に関すること。男性の女性に対する大人な恋情が胸を打ち、女性の明るさが胸を締め付ける。何と言いますか、胸が締め付けられるような作品でした。
ただ、テーマがテーマなだけに内容の温度が急激に上がったり下がったりというのはなく、例えるならば作中にあったような、船で静かに水面を滑っていく作風となっています。そういった作風が苦手な方は多いと聞いたことがありますので、私自身は結構好きでしたが、読書があまり好きでない人には少々読み進めるのが苦しいかもしれないと思います。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
病気
- 感想投稿日 : 2015年8月28日
- 読了日 : 2015年1月20日
- 本棚登録日 : 2015年8月28日
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