松浦寿輝(まつうらひさき)さんの『花腐し』(はなくたし)。
作者もタイトルも漢字読めねー。
花腐しとは万葉集にある「卯の花、腐(くた)し」からとられたもの。
長雨の中で卯の花は腐っていくことを詠ったものだそう。
主人公の性と生に対して淡白になり、腐っていく諦めの情景が外では雨が降り続いている、という情景、更には東京という街全体が放つ腐臭と重なり、
どんよりした空気が流れてるなぁと思わせながら、詩的な描写の官能小説を思わせる表現がこれまた僕を刺激した。
短編小説だし、読みやすいんだけど、
さすが芥川賞だけあって、ちゃんと考えながら読まないと今の僕には断片的な部分しか記憶に残らないかも、
と思い、慌てて、また読み直してみたり。
こういうの文学って呼ぶのかな、って思ったけど
そうじゃない。
良書は読む人を選ぶものなのかな。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2010年4月6日
- 読了日 : 2010年3月14日
- 本棚登録日 : 2010年3月14日
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