動物にとって社会とはなにか (講談社学術文庫 169)

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  • 講談社 (1977年8月1日発売)
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感想 : 7
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タイトルに「社会」とあるので,読まねばと思って読んだのですけど,こりゃあ面白いねぇ。

生物学はやっぱり面白いねぇ。
チョウもカエルもバッタも面白いねぇ。

特に,個体と種のことについて,明確な定義と共に書いてあるのが良い。
そして,同種異性を見つけることがいかに大切か,ということについて,しっかりと考えないとなぁ,という気になる。

これを読むと,社会というのは個体とは別のレベルに存在する,というのが明らかであるように思えるのだよな。それを人間社会に当てはめて良いのかどうか,批判的に検証しなければならないだろうけど。

人間は,他の動物とちがって,本能的にやっていることを社会化してしまって,自然のコントロールから外れている,というのが著者の主張。言い換えれば,人間は動物的でなくなっているっていうのが結論なのかもしれない。少なくとも,人口のコントロールが人工的にも出来てない,という点は読み手に「人間が作った社会というのは何か」という問いを突きつけるのだ。

それが,「心」「内部状態」「意識」「自己」「自我」というものの存在と表裏一体の関係にあるように,思えるのだ・・・。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教養
感想投稿日 : 2011年5月12日
読了日 : 2011年5月12日
本棚登録日 : 2011年5月12日

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