まさかあの高野さんの本とは知らずに読み始めた。
非常に読みやすい文体で、物語の中にすーっと入って行ける。
自殺をした四人の人達が、命を粗末にしたからと神様に天国行きをダメだしされる。
喜びも不幸も何もない、ただただ暇な場所に留め置かれるところだったが、天国行きのチャンスが与えられた。
それは、地上に舞い戻り、自殺しようとしている人々を49日間で100人助けろというもので──。
はじめは仲もそれほどよくなかった四人が、天国行きのチケットを手に入れる為に四苦八苦して困難な救助活動にあたるうちに、かたい絆を手に入れるのが実に読んでいて微笑ましい。
様々な理由を抱えて自殺をはかる人々の心の中を読み、それを助けるのは本当に辛く大変なのに、皆よくがんばっていた。
すでに命を経ってしまった自分達が、本当は死ななくても良い運命にあると知った時の悲しさは読んでいて辛かった。
もうちょっとだけ状況が違えば。
それだけのことだったかもしれない。
生きるというのは死ぬよりも難しいかもしれないけど、だからこそ、生まれてきたのはただそのにあること、寿命がつきるまでまっとうすることなんじゃないかという作者の意見にいたく共感した。
ラストは涙なしには読めなかった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
エンターテイメント
- 感想投稿日 : 2012年1月22日
- 読了日 : 2012年1月22日
- 本棚登録日 : 2012年1月22日
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コメント 2件
だいさんのコメント
2012/07/08
猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2012/12/06