進撃の巨人(15) (講談社コミックス)

著者 :
  • 講談社 (2014年12月9日発売)
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人を殺すために特化した新型立体機動装置と散弾銃が調査兵団を襲う。憲兵団のナイルでも知らない中央憲兵の闇。人を救うために人を殺す戦い。どこまでがエゴで、どこからが正義なのか。それを問う革命が始まる──。

ジャンを助けるために人を殺したアルミンの苦悩が伝わってくる。巨人ではなく人を殺すという十字架が容赦なく足を絡め取る。
「もし今もお前の手が奇麗なまんまだったらな 今ここにジャンはいないだろ お前が引き金をすぐに引けたのは仲間が殺されそうになっていたからだ お前は聡い あの状況じゃ半端なことはできないとよくわかっていた」
そこにリヴァイがかける言葉が沁みる。そして、ジャンのことも否定してはいない。正しさは状況によって変わるし、選んだことが最善かどうかなんてわからないのだ。

その後のヒッチとマルロとの邂逅は重い王政編でも息抜きポイント。ヒッチが何も知らされずにアニを思いやっていたのが切ない。ジャンがマルロを「こいつ……多分……本物のバカだ…」とじっと見つめるのもシュールで好き。信頼できるか試すジャンの演技がバカっぽくてそれも笑える。マルロのおかっぱの髪型は確かにツッコミたい(笑)

ギリギリだった調査兵団の命運がここから逆転していくのが熱いよね。リーブス商会のフレーゲルが意地を見せたところがカッコいい。中央憲兵と一般住民の格差がここで裏返るのが鮮やか。モヤモヤがスカッとする!さらにフリッツ王と側近の行動もわかりやすいというか。「一人一人の選択がこの世界を変えたんだ」というセリフ通り、フリッツ王たちの選択もまた世界を変えるダメ押しになったのが痛烈。

そして、物語の舞台は囚われたエレンとヒストリアたちのもとへと移る。この場所で過去に一体何があったのか。その罪とは──。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 漫画
感想投稿日 : 2023年4月3日
読了日 : 2023年4月3日
本棚登録日 : 2023年4月3日

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