一見すると過激なタイトルだけど、なぜ?と感じた人ほど読む価値はある。刑務所での更生支援にも関わる著者が、タイトルの理由をとても丁寧に説明している。犯罪心理学のみならず、教育・しつけへの向き合い方にも役立つので幅広い方に読んでほしい。
「実は、『ありがとう』や『うれしい』という言葉が言えない人は、素直に他者に甘えられない人なのです。素直に他者に甘えられないということは、その人がそれまでの人生で他者に甘えられた経験に乏しいからです」という言葉。甘え(られ)ること、感謝することの大切さがしみる。
「『しっかりした親』は、『ありのままの自分』ではいけないというメッセージをたくさん持っている親なのです」 183ページより引用。これは実感する。素直な感情を受け入れてくれないと、親にも自分にも嘘をつくようになっていく。本音も言えず、愛されるためにいい子を演じたり、大人びようとしたり。
「正論を言えば、親が勝って子どもが負けるという構図に必ずなります。結果として残るのは、親子関係の悪化です。正論は、相手の心を閉ざす『言葉の凶器』と考えてもいいでしょう」 187ページより。自分も本当に気をつけたい。正論こそ本音にフタをする呪い。本音を話すことが問題解決の第一歩。
本音は隠してこそ!だとか、弱さを見せるのは恥ずかしい!だとか、それこそが問題解決を先送りにして爆発させる張本人。ネガティブだと思ってきたその感情・愚痴こそ、貴重な情報だと思うと見方が変わってきた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
心理学
- 感想投稿日 : 2019年10月18日
- 読了日 : 2018年5月14日
- 本棚登録日 : 2019年10月18日
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