服従 (河出文庫 ウ 6-3)

  • 河出書房新社 (2017年4月19日発売)
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本棚登録 : 867
感想 : 63

楽しめたけど、意外と掘り下げが小さかったなというのが正直な感想。というのも、憲法改正の動きやレジスタンス活動が端折られていることと、ローマ帝国復活の意味合いとヨーロッパの緩い統一の関係性がほとんどと言って論じられていない点がその要因のような気がする。結局は、国家制度として恣意的に力を持たされた男が仲人媒介の一夫多妻制に抗しようがないことでイスラーム化は進められるとでも、結局は言いたかったのかな?筆者も言っているようにレジスタンスが国民の中に染みついているのがフランスという国ですよね。とすると、女性(だけに限定されないけど)のレジスタンス(たとえば、18世紀のパリ行進みたいな)の潜在性と顕在制に触れられていないのは画竜点睛を欠いたのかな、やっぱり。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: フランス文学
感想投稿日 : 2024年3月27日
読了日 : 2024年3月27日
本棚登録日 : 2024年3月27日

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