星影のブレス (集英社文庫 コバルトシリーズ 183-Z ユメミと銀のバラ騎)

著者 :
  • 集英社 (1989年9月1日発売)
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感想 : 3
5

銀バラシリーズ2作目。

ふたつ目の聖宝が登場し、
あいかわらず「主婦」してるユメミちゃんの、
一生忘れられない恋も描かれる。

2作目にして光坂くんの成長がすごい!
ヒロシのほうが狼で大きい体なのに、小さいネコの光坂クンがかばうなんて。
(だから光坂クンの烙痕がひとつ多かったのね)
そりゃ、ヒロシも見直すし認めるわー。

ヒロシがこの事件くらいまで、拗ね拗ねでコドモっぽかったので、
レオンや火狩さんの自分を抑えて責任を全うしようとする姿や、
光坂クンの献身的でまっすぐなかわいさが際立つ。

と、思わせといて。
瓦礫の下からユメミを見つけ出し「オレ狼でよかった」。
そして、ラストシーンでのやさしさ。
うーん。ユメミの騎士たちは、やっぱりみんなステキだなぁ。

タイトルになっている聖宝「星影のブレス」は別名「保留のブレス」といい、
肉体から飛び立とうとする魂を留めることができる。

そのブレスをめぐって起きた事件の収束する場面の火狩さんがとてもやさしい。
相手をひとことも責めず、自分を差し出そうとする。
ユメミへの切ない最後の選択も含め、レオンに負けず劣らず出来すぎな人。

過ぎた自己犠牲は嫌いだけど、ひとみ先生の描くキャラクターだと、
嫌味にならず、まっすぐさやひたむきさだけを感じるから不思議。

冷泉寺さんやレオンの心もちらりちらりと見えてきはじめて、
これからますます切なくなっていくのね、と楽しみなような心配なような。
――やっぱり、楽しみかな♪

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: は行の作家(国内)
感想投稿日 : 2013年4月13日
読了日 : 2013年4月12日
本棚登録日 : 2013年4月13日

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