古今の名作童話を、エーリッヒ・ケストナーが読みやすく再編したもの。
ケストナーと言えば、『エーミールと探偵たち』、『ふたりのロッテ』、『飛ぶ教室』などでおなじみの、あのケストナーです。
そのケストナーが、若干子どもには取っつきにくく感じられる原典を、ケストナー流に読みやすく描き直した。
・ほらふき男爵
・ドン・キホーテ
・シルダの町の人々
・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら
・ガリバー旅行記
・長靴をはいた猫
いずれも、名の知れた作品ばかり。
実を言うと、原典って、けっこう読みにくいんですよね。
童話なんてもんじゃなく、現代の小説なんかはるかに凌駕する書き込みっぷり、支離滅裂ッぷり。
それを、うまいこと丁寧にまとめてある一冊です。
ケストナーは、本当に、ストーリーテリングがうまい。
我々は、ケストナーより生まれ、ケストナーに帰るのです。
子ども時代に読むことができたなら楽しさを、大人になって読む機会が持てたなら嬉しさを、更に自分に子どもができて読んで聞かせるときには、幸福を感じていただきたい。
いくつになっても安心して読める本が、ここにありますよ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ドイツ文学
- 感想投稿日 : 2012年6月3日
- 読了日 : 2012年6月3日
- 本棚登録日 : 2012年6月3日
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