科学的とはどういう意味か (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎 (2011年6月29日発売)
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本棚登録 : 1988
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文字通り科学について書いてあって、「科学離れ」について触れている。すでにタイトルで科学嫌いにとってはハードルになってるんだけど、読んでみたら人にとっても科学者にとっても優しい言葉が書かれてあった。

科学は人をしあわせにするためにある、という言葉は響きがもうしあわせだった。科学は慎重に時間をかけて実証していくことだというのも優しさを感じる。

「実験をすれば科学的だと勘違いしている人がかなりいる」と書かれててそこにも興味がわいた。何度も再現性を確かめて、「正しい」と思える状態に近づくプロセスが科学なんだって言われてちょっとわくわくした。

「科学を遠ざけることは損だし危険すらあるのだから、もう嫌いと言っていられる状況ではない」という主張も、今まで誰からも言われたことなかったことで素直に聞き入れてみたくなった。おとなってすぐ「科学って面白いよ」って科学実験ショーなんか見せて子供を喜ばせることばかり考えるんだけど、そういう科学が見たいわけじゃなかったぼくは損得とか言われたほうが面白かった。

科学って聞くと数式とか思い浮かべて降参しちゃうんだけど、考えたら社会科学も科学のうちだし。社会や人間はより複雑な気がするけどそっちの科学には興味がないわけじゃなかったわけで、結局科学嫌いというより数式についていけないと思ってただけなんだろなって思った。

科学が嫌いって自分で思い込んでたところあるけど、別にそんな「思い込み」にこだわることもないんだなって思えた。

難しい数式はわからないけど、日々の人とのやりとりを数字に置き換えて計測したことがある。いつ会ったとか、何日ごとにメールを書いたとかだけど、それだけでも、やってみたら、目の前の出来事が少しだけ以前より理解できた(気がする)。それだけでも科学に寄り添ってるということかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書
感想投稿日 : 2014年8月22日
読了日 : 2014年8月18日
本棚登録日 : 2014年8月22日

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