今回もやはり綺麗な表紙に惹かれて。
居なくなった人を巡って、綴られていく物語。
癖があまりなく大人しめの文体だったが、面白かった。
誰にでも薦められる。読みやすいが、時間がいつもよりかかった。
身近な花や小物が出てくる分想像もしやすかったので、細かく頭の中で思い描いてしまったのだと思う。
この人は本当に「水辺」が好きなんだなぁ、と思った。
やはり、銀河鉄道の夜の「カムパネルラ」に強く影響されている部分があるのだろうか?
生きているのか、死んでいるのか。その境目を行き交う魂に魅せられているの…か。
水死体とはどんなものだろうか?
そして少し人とは異なる性癖の持ち主が数人。…そして少年。
どういう理由があって、こういう話を書くんだろう。
私は文章を読むと、そちらに気をとられてしまうときがしばしばあるが。
長野まゆみの小説を読んだあと、こんな風に感想などを書いているときは、特にそう感じる。
…しかし、少年に関しては、なんとなく理解できる気も…しなくもない(笑)
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カテゴリ:
長野まゆみ
- 感想投稿日 : 2008年9月30日
- 本棚登録日 : 2008年9月30日
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