「世渡りの道というものも、毎日出合う卑近な事柄について具体的な心得を知ることにある。手の扱う仕事がいかに卑しくとも、足がいかなる泥中を踏むとも、思想が高潔であれば行なう公務も尊くなり、足元の泥中よりハスの花が咲くにいたる」(p17)
本書の基本理念はいかにして品位ある生き方であるが、一切難しいことは書いていない。要は、自省的な姿勢をもつことで弱い不完全な自分と正直に向き合えということである。そして全てを受け入れろ、相手の弱点ではなく長所を探し、良い点は何でも吸収し、学ぶ対象と捉えることで常に向上心を保てということ。それを筆者なりの言葉で主張する。
重要なのは、生き方や日々の姿勢であり、没した後にいかに惜しまれるか。しかし、自分んで自分を惜しむな。職業に貴賤は無い。あるのは生き方の差だ。笛吹きでも太鼓持ちでも、生き方次第、心がけ次第である。
ただ、之を受け入れる受け入れられない自体、人の受け取り方に差があるだろう。とりあえず読んで欲しい、話はそれからだ。
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カテゴリ:
思想、哲学
- 感想投稿日 : 2012年2月2日
- 本棚登録日 : 2012年1月27日
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