銭売り賽蔵 (集英社文庫 や 41-1)

著者 :
  • 集英社 (2007年12月14日発売)
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本棚登録 : 236
感想 : 18
4

山本一力の真骨頂とも言える深川を舞台とした長編でしたが、本作は銭売りの頭である賽蔵を主人公にした銭売りを通した礼節をふまえ真摯に仲間や相手に向き合う賽蔵の姿勢がよく、それに応える人たちの粋な姿や人情味の厚い深川の人たちの目に見えない絆がいい感じで描かれています!
凄い登場人物は、己が認めた相手には、身分関係なく素直にリスペクトして相手を称えるところが人間としての深みを見ました。
また、長年の恋を成就させ賽蔵の女房となるおけいも商売人としてしっかりとした眼力も持って、賽蔵を健気に支えつつも、さりげなく賽蔵が至らないところを指摘するところも良かったです!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 時代物
感想投稿日 : 2017年12月23日
読了日 : 2017年12月23日
本棚登録日 : 2017年12月23日

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