下巻では、反脆さについてより踏み込んだ解説がされている。
脆さ、反脆さによる反応は、アップサイド(利得)とダウンサイド(損失)の非対称性に加えて、その反応が非線形であることがある。
反脆弱性という概念の応用として、否定の道という考え方が示されている。
脆いものは、時間を経る中で無くなるか減っているかしているわけだから、長い間生き残っているものは、ある程度と反脆い場合が多い。
自然のすることはそれが有害だと証明されるまでは無害と考えてよいが、人間のすることはそれが無害だと証明されるまで有害と考える方がいい。
最後に反脆さと倫理について、「身銭を切る」というアイデアが述べられている。
現代では、他者にダウンサイド(脆さ)を押しつけ、それによって自らはアップサイド(反脆さ)を得ることがまかりとおっている。
そうでなく、自らダウンサイドを引き受ける(身銭を切る)べきだ。
やっぱり何度も読んだが、また読み返して、体験として理解していきたい本だ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
A:学術(に近い)
- 感想投稿日 : 2023年11月18日
- 読了日 : 2023年11月18日
- 本棚登録日 : 2023年6月22日
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