本格派のホラースプラッタ漫画
正直なトコ、血に強い自信があった私でも、気が滅入っているタイミングで不用意に読んだら吐きそうになった。血の噴き出し方、体外に出た臓物の生温かさ、パチモノじゃない超常現象の本気の怖さを、リアルじゃなくエグく描いているので、その方面がてんで駄目な人は読まない事をお勧めする
ただ、この『死人の声をきくがよい』が他の同ジャンルの漫画と違うな、と感じる点は、ところどころで「クスッ」と来てしまうシーンを、読み手の隙を確実に衝くタイミングで入れてくるところだ。恐怖で震えあがっている時に、微かでも笑いが出てしまうと、その後のホラーな要素が更に効いてくる。ストレートで勝負してくると思いきや、出所が見えづらいフックで読み手を仕留めに来る、少し嫌なタイプな漫画家だが、嫌いにはなれないのである、困った事に
読み切りのユミちゃん奇譚は、本編とは違った人と、人じゃない何かのおぞましさを描いていて、胃の腑が引っ繰り返りそうになりましたね
どの話も、背筋が下から上に撫でられましたが、個人的に「これは!?」と思ったのは、第26話の『インタビュー・ウィズ・霊道人間』
あと、何気に色使いも好きだったりします
しっかし、あれですね、登場シーンは少ないのに、今巻でもやっぱ、式野会長のゲスっぷりは際立っていらっしゃる
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
コミック(秋田書店)
- 感想投稿日 : 2014年8月27日
- 読了日 : 2014年8月19日
- 本棚登録日 : 2014年7月18日
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