魔女の箱庭と魔女の蟲籠 -鈴木小波短編集 (REXコミックス)

著者 :
  • 一迅社 (2016年2月27日発売)
3.73
  • (2)
  • (6)
  • (1)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 120
感想 : 4
5

つい、この間、ここに野干ツヅラ先生の『午後五時四十六分』、ネコメヒコ/作楽ロク先生の『こんなん生まれました。』の感想を挙げ、絶賛し、どれだけ面白く、読むべきか、を力説した私は
質が高い、その評価は今も変わっていない
けれども、この『魔女の箱庭と魔女の蟲籠』を読んでしまったら、先の二作品がバリバリと食われてしまった
何でも描ける、って表現は、漫画家にとっちゃ癇に障ってしまうモノかも知れないけれど、連載と短篇集を読むたび、鈴木先生に対しての印象は「何でも描ける」が強くなっていく
一体、どんな日常を送っていたら、こんなスレスレの発想が自分の中から湧き上がってくるんだろう。素直に知りたい、と思う一方、真似したら精神が壊れちゃうかもな、そんな不安も過ぎる
好みは人それぞれだろうが、あえて、先に、ちょっと合わなかった作品から挙げさせてもらう。それは、『パイパニック』だった。下ネタ、それ自体は好きなのだが、若干、あけすけすぎて食指が動かなかった。絵柄が現在のそれと違うのも理由かも知れないな、と書きながら気付いた
逆に、他の読み手に推したいのは、表題作でもある『魔女シリーズ』だ。鈴木先生が得意とする、ほんのちょっぴりのおぞましいコメディで、パンチが効いている。ヒトじゃないモノが、ヒトと絡んで、特別な関係を築くようでいて何も起こらない、それがヒトとヒトじゃないモノの境界線、そんな感じ
是非、このシリーズだけの単行本を出して欲しい。母であり、作成者である魔女が望んだ物を全て手に入れ、何もその手の中に得られなかった時、何が起こるのか、も知りたい
この台詞を引用に選んだのは、真理であるから。苦手だと言っていた作品から引用するんかい、とツッコミが飛んできそうだが、それはそれ、これはこれだ。男はオッパイに弱い、それは誰も否定できないでしょ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック(一迅社)
感想投稿日 : 2016年7月11日
読了日 : 2016年5月27日
本棚登録日 : 2016年2月27日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする