「人って変われるの?」から始まる物語は、目指す自分というものを、目標として明確に持っている人は別として、ここでは、今のままの自分でもいいと思えないところが、問題なんですよね。
2006年の作品ですが、今読んでも共感できるのは、おそらく、現在でも、他人の人生に口出ししたい人や、自分以外の人が皆、自分と同じ価値観や考え方を持っていると思い込んでいる人がいるからなんでしょうね。
そのような現実に対して、「すーちゃん」と、その友達の「まいちゃん」の、気取らない本音の思いの数々に対する、「そうそう!」と思える嬉しさ。
それは、私ひとりだけだと感じていた、不安感を払拭させるような、自分自身の存在の肯定へと繋がり、それに救われた気持ちになれた方は、きっと多いのだろうと感じました。
人って変われるの? というよりは
誰かのようになりたい、というよりは
あたしの中には、いろいろなあたしがいる、ということ。
嫌なヤツに変わったんじゃなくて、いろいろいる、「あたし」という人間だということ。
『世界にたったひとりしかいない本物の自分を、自分が探してどうすんの』
という、すーちゃんの思い、その通りだと思いました。
その後、自分がかわいそうだと思うところも、とても大事。
なんて書きながら、いちばん共感できたのは、実はまいちゃんの悲しみで、これは私も何度も実感したことがあり、皆さんにも読んで欲しいので、以下掲載いたしました。
なおなおさん、素敵な本をご紹介くださり、ありがとうございます(^_^)
これくらいのイヤミはどうってことない
と、思おうとしている時点で
あたしは自分が
少し傷ついていることを知ってしまう
それが、くやしい
くやしくて
少し苦しい
自分を苦しくさせている人がいる
ということに
また少し傷ついてゆく
- 感想投稿日 : 2022年6月28日
- 読了日 : 2022年6月28日
- 本棚登録日 : 2022年6月28日
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