一人の幼児が死んだ。
それは、一見、よくある不運な事故に思われた。でも、本当は…。
ものすごく、心が重くなる話しでした。
フンを放置する老人。
技量もないのに大きな車を運転するはめになった女性。
暇つぶしの慈善活動家。
怠慢な役人や医師たち。
自分のことしか考えられない若者。
今日だけ…。
自分一人くらい…。
みんなしてるから…。
体調が悪いから。
色々な言い訳をしながら犯した小さなルール違反。
それが積み重なって一人の命を奪う。
でも、誰も自分の罪に気づかない。
自分とは、違う世界の事だと思っている…。
猛烈に腹がたちながらも、自分だってこの人たちと一緒なのだ、と思うとものすごく嫌になった。
ルール違反をしなくても、ただ生きているだけでもきっとその背に、肩に罪はどんどん降り積もっていってるんだろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
貫井徳郎
- 感想投稿日 : 2012年11月6日
- 読了日 : 2012年11月5日
- 本棚登録日 : 2012年11月5日
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