イケニエ屋 1 (ソノラマ+コミックス)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2020年8月20日発売)
5.00
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 6
感想 : 1
5

ストレートに、最高に好き、と言える漫画に出逢えた事に大感謝
言い訳が通用しないくらい、私の歪んだ好みにドンピシャすぎる
高校生以下には読ませられないような描写とストーリーである、この『イケニエ屋』は
けど、決断ってのは、理不尽なタイミングで強いられることがほとんであるのも、世の摂理。そうなると、いざって時に、パニックとならない心を鍛えこんでおくためにも、未成年も読んでおくべき漫画かもしれない、と私に思わせる
究極の決断を迫られた時、剥き出しになる人間の本性、それの表現方法が、実にエッジが効いている
自分が助かるために他人に犠牲を強いるか、もしくは、覚悟を決めて他人を救うために自分の命と未来を捨てるか
どちらのパターンにも、人間らしさが如実に表れ出ており、改めて、「人間、興味深ぇ」と笑わせてくれる
また、人外のデザインも攻めに攻めており、下等な生物の都合などお構いなしに厳しい現実を突き付けてくる存在の冷たさ、おぞましさ、そして、崇高さが色濃く出ていた
まだまだ、Dr.イム先生には、人間の持つ美醜の二面性を魅せてほしいので、(2)が無事に出てほしいトコだ
できりゃ、新たな生贄屋のコンビ、もしくは、生贄屋の仕事を邪魔する存在も登場してもらいたい

この台詞を引用に選んだのは、言い方はキツいにしろ、間違ってはいない、と納得させるものなので
いつだって、どこだって、生贄にされるのは、弱い=戦う意志を示せない者
死にたくないなら、嫌な時は嫌だ、と理不尽さに抗わなければならない
それが出来たら苦労はしない、と言うだろうが、やらなきゃ、いつまでも、自分の心を、社会的には大した奴でもない他人に、クソまみれの汚い足で踏み躙られ続けるだけだ
戦わなければ生き残れないのだ、この世の中は
「そっ・・・そんなの!よわいものいじめじゃないですかー!」
「弱いんだよ、弱いから生贄の山羊(スケープゴート)なんだよ」(by夢生、無)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 青年漫画(朝日新聞出版社)
感想投稿日 : 2020年9月6日
読了日 : 2020年9月6日
本棚登録日 : 2020年9月6日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする