国家はなぜ衰退するのか(上):権力・繁栄・貧困の起源

  • 早川書房 (2013年6月21日発売)
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世界には豊かな国(地域)と貧しい国(地域)があるが、それらを隔てる境界線が「包括的な政治・経済制度」か「収奪的」かの違いにある、という主張。「包括的」という言葉の意味するところは、自由主義や民主主義、多元主義といったイデオロギーを重視する政治であり、私有財産や市場経済を重視する経済制度を指す。

別に目新しくはない。日本の歴史教科書にはこの手のメッセージがすでに散りばめられている。啓蒙思想、西洋史観と言って良いかもしれない。実際に本書には「収奪的な政治・経済制度から包括的なものにうまく変革できた成功例」として明治維新が紹介されているが、深みは学校で学ぶ程度のものだった。でも本書には範囲の広さがある。世界各国の「豊かな国」「貧しい国」の紹介事例の多さだ。

少し残念なのは、各章のタイトルから「いつの時代の、どの国(地域)の、どのような統治制度」について解説してるのか?が判別つかず、また章末に「まとめ」もないので再読し辛いことだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 0200経営
感想投稿日 : 2022年8月23日
読了日 : 2022年8月21日
本棚登録日 : 2019年12月8日

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