月魚 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店 (2004年5月25日発売)
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本棚登録 : 9566
感想 : 1033
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三代にわたって古書店「無窮堂(むきゅうどう)」を営む本田真志喜(ましき)24才と大切な親友瀬名垣太一25才の友情の物語です。

天性の古書に対する才能を持つ瀬名垣が、10才の時に、無窮堂の二代目、真志喜の父が廃棄する本と区別した中から売れば億円する本を見つけたことで、父親は居場所がなくなったと思い無窮堂を出て行った。それから真志喜は、父に会っていない。
瀬名垣は、真志喜の父を追い出したという負い目を抱き、心に負担を感じて生きてきた。真志喜は、瀬名垣を一目見た時から気に入りひかれていく。その気持ちを止めることが出来ずにいる。そんな二人が、醸し出す物語です。

古書の世界のことが書かれています。私は、無窮堂のように店舗をかまえて古書を販売する事しか知りませんでしたが。古書業界ではこれを正統派といいます。そして瀬名垣が営んでいる多くの本の中から価値ある本を見つけて、図書館とか、コレクターなどの特定の顧客に売る「せどり屋」という商売があるのを知りました。
三浦しをんさんの本を読むのは初めてです。

【読後】
変な名前の本だなと思いながら読んでいました。こんな事柄を書いた本は、いままで読んだ事のない本でした。綺麗に、丁寧に書かれているのにビックリします。最初は、あまりにも真志喜と瀬名垣の距離が近いので、もしかして変な関係なのかと思っていたのですが、読み進むと二人の想いが感じられてこんなふうに、信じられる間柄の人もいるのだと思いビックリしています。
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【音読】
2022年11月25日から30日まで、音読で三浦しをんさんの「月魚」を大活字本で読みました。この大活字本の底本は、2004年5月に角川文庫から発行された「月魚」です。本の登録は、角川文庫で行います。
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月魚(げつぎょ)
2022.05埼玉福祉会発行。字の大きさは…大活字。
2022.11.25~30音読で読了。★★★☆☆
水底の魚、水に沈んだ私の村、名前のないもの、の短編3話。
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「参考」
※参考は、私のメモ書きです。本の感想ではありません。
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「せどり(競取り、糶取り)」とは、「同業者の中間に立って品物を取り次ぎ、その手数料を取ること。また、それを業とする人」を指す。古本用語を元にした「掘り出し物を第三者に転売すること」を指す言葉。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2022年12月5日
読了日 : 2022年12月5日
本棚登録日 : 2022年11月11日

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